第24章 産屋の風邪は一生つく
オレは制服を脱いでハンガーに掛け、上着に消臭スプレーを吹き掛ける。
大きく息を吐き、ゴキゴキッと肩を回した。
帰宅後のルーティンを終えたオレは、部屋着でベッドに横になる。
スマホを開き、溜まった通知をタップする。
『永夢今ひま??』
『これからカラオケ行く人』
『じゃあいつなら会える…?』
『最近付き合い悪くない?どしたん?』
どれにも返信をしないまま、画面を閉じた。
それなりに楽しくやってたはずなのに、何だか全部面倒臭い。
ずっと前から抱えてきた気だるさが増えてきてる。
……紗都せんせーに会える時間だけが、今のオレの全て。
首筋に触れた。
今でも生々しく思い出せる。