第24章 産屋の風邪は一生つく
紗都せんせーにキスマークをせがんだ時のこと。
紗都せんせーとの記録が欲しくて、かりそめでいいから紗都せんせーのモノになりたかった。
自分でも女々しいなって思う、しんどい、重たい、って嫌になる。
ヤバい、ほんと。
スマホのインカメラを起動させ、首を見る。
紗都せんせーとの記憶はとうの昔に薄らいで、綺麗さっぱり無くなっていた。
欲しい、紗都せんせーが欲しい。
何をされてもいいから、何でもしたいから、オレだけを好きになって欲しい。
親指で、ぐっと首筋を押した。
「ぁッ……」
そのまま衝動的に皮膚を抓る。
痛いぐらいにされる方が好き、気持ちいい。
二本の指先で肌を捩じ切るように強く擦り合わせ、ぴくりと背筋を揺らした。
既に熱くなってきた下半身が疼く。
思いっきり、惨めったらしく、オレの大好きな人を思いながら自分を慰めたい。