第4章 毒を食らわば皿まで
「丸木戸、おま、え……」
時雨先生の後ろに回り込み、ゆっくりと包帯を引き伸ばした。
時雨先生の両手首を引き寄せる。
腕を引っ張られ、時雨先生は熱っぽい息を吐き出す。
手に取った、青みがかった白い腕。
肉付きの薄さと相まって若干病的な印象も受けるが、浮き出た血管と骨ばった手。
男性的な綺麗な腕と手だ。
わたしよりもよっぽど逞しく、太く、大きい。
そんな腕に包帯を巻き、きつく縛り付けた。
ぎゅっと締め付けられ、時雨先生は身を捩った。
わたしはその姿を見て、頬が熱くなる。
「わたしの好きなようにさせてくれるんです、よね……わたし、嬉しいです」
時雨先生は身震いした。
ぞくぞくと背筋を震わせ、恍惚とした表情で笑う。
「あっは……最高、お前、マジで最ッ高……」
わたしは保健室を施錠し、微笑した。