第4章 毒を食らわば皿まで
「でも、今日の話聞いて、確信したよ……」
時雨先生はその場所の壁に手を当てた。
白い壁が剥がれ、中から超小型のカメラが現れた。
「お前は最高だってな……俺を、俺らを、滅茶苦茶に、ズタズタにしてくれるって」
時雨先生は取り出されたカメラを愛おしそうに見つめる。
「あー、今日のめっちゃ楽しみ……」
時雨先生はわたしに目をやる。
瞳の奥が鈍く光っている。
初めて見る、時雨先生の興奮した目。
それがわたしに向けられていると思うと、どうしようもなく心が掻き乱されて胸がザワつく。
「もしお前に何かあったら俺が全部庇ってやる、俺、結構ここも長いしな……」
時雨先生は口端を上げた。
わたしにゆっくりと近づき、吐息を漏らす。
「その代わりさあ」
わたしの片手を取り、指を絡めた。
「俺はお前の物だから」