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男子校の女王様。

第22章 亭主の好きな赤烏帽子


キラキラと目を瞬かせるサヘルくんに苦笑した。

「個人的なプレゼントなので、内緒にしておいて貰えると有難いんですけど」

「それは勿論っ……て、ええっ!そ、そんな、ボクなんかに、ダメでっ……」

わたしはしどろもどろになるサヘルくんを真っ直ぐに見つめ、にこっと微笑んだ。

「わたしからのプレゼント……受け取って、くれますよね?」

サヘルくんはごくっと唾を飲み込む。

小さく頭を垂れた。

「わ、分かりました……」

わたしから包みを受け取る。

ぎゅ、と抱きしめるようにしっかりと抱えた。

「ありがとうございます、紗都せんせい……嬉しい、です」

サヘルくんはわたしに向かって、幸せそうにぺこっと頭を下げた。

「はい、それじゃあ……」

わたしも笑顔を返し、呟いた。

「それを着たサヘルくんに会えること、楽しみにしてます」



わたしは目の前に立ったサヘルくんに笑いかける。

「すっかり良くなったみたいですね、嬉しいです」

「は、はい……」

サヘルくんは赤面し、伏し目がちに頷く。

「それに……今日、ちゃんと着てくれたんですよね?」

わたしはサヘルくんの首筋に指を這わせ、つつっと線を引いた。

サヘルくんは背筋をピクンと逸らし、膝を揺らす。

「んッ……!」

震え声を漏らした。
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