第21章 高嶺の花
斗真先生は顔を真っ赤にして、
「…………」
そのまま押し黙ってしまった。
わたしも口を挟む事が出来ず、俯く。
そんな気まずい雰囲気の中で永夢くんは喋り続ける。
「分かりやすすぎ。斗真ちん丸木戸せんせーが来るまで女性不信だった癖に」
わたしは思わず斗真先生の方を見る。
斗真先生は声を大きくした。
「そっ!そんな事ない!」
「ふーん……そっちは否定するんだ、へー……」
永夢くんの声のトーンが落ちる。
表情も固く、目が笑っていない。
……物凄く雲行きが怪しい。
「言っとくけど、せんせーは一筋縄じゃいかないよ?こーんな可愛い感じで、めっちゃSなんだよー」
わたしは噴き出した。
「ちょっ、ちょっと!」
「別にいーじゃん、斗真ちんが変な夢見るより」
斗真先生は無言でわたし達の会話を聞いている。
それに気がついた永夢くんは目を丸くした。
「……え、そんなとこまで知ってんの?」