第21章 高嶺の花
わたしは耳を疑う。
一拍置いて、
「えええッ!?」
思いっ切り叫んだ。
永夢くんは一切動じることなく、言葉を紡ぐ。
「もう他の女の子と遊ぶ気もないよ。だからオレの女関係も時間かかると思うけどこれからは静かになるよ」
「えっ、その、あのっ」
永夢くんは挙動不審なわたしに対してぷうっと頬を膨らませる。
いじけたように言葉を吐き出した。
「……まだオレのこと好きじゃない、一番じゃないって言うんでしょ?別にいいよ、オレが勝手にしてるだけだもん」
「いやっ、そ、そうじゃなくてですね、ここでっ、こんな時にっ」
わたしはアワアワと顔を左右し、斗真先生にすがろうと目をやる。
「ちょっ!斗真先……!?」
斗真先生は心ここに在らず、といった様子で呆然としていた。
永夢くんは眉を寄せる。
ムッとした顔で、斗真先生に毒づいた。
「……斗真ちん……実際せんせーのこと、好きでしょ」
「へ」