第3章 口は災いの元
身体が熱い、けれどそれに反して脳内は冷えきっている。
冷静に、一番キモチイイ場所を見定め、思いっ切り叩いた。
聖くんの全身が震える。
「ねえ?」
「ああぁぁッ……!」
痛みに耐える姿が堪らなく色っぽくて、可愛い。
自分でも、どうしてこんなに酷いことができるのか、分からない。
別に、本気で怒っている訳じゃない。
でも、可愛くて可愛くて、自分でも抑えが効かなくなる。
屈辱的なポーズでお尻を殴打された聖くんは、涙声で叫んだ。
「はッ!あ、あぁッ!ご、ごめんっ!生意気言って!ごめんなさいッ!あぁっ!ん、んっ!」
わたしはその言葉を聞いて、手を止めた。
脳内に恍惚感が拡がる。
可愛い。
「よく言えました」
聖くんの頭をくしゃくしゃと撫でた。
聖くんは遠い目をして、ぐしゃぐしゃの顔で、
「…………」
静かにわたしに身を任せる。
少し湿った綺麗な髪が指先に絡みついた。