第3章 口は災いの元
わたしの息も荒い。
二人の呼吸音だけが、保健室に反響する。
わたしは額の汗を拭った。
顔、熱い……。
聖くんも汗だくだ。
「ハンカチ、使う?」
聖くんに問いかけるも、上半身をベッドに任せ、放心したまま動かない。
わたしは本来の目的を思い出した。
「お薬、塗るね。脚、開いて?」
わたしはぴたりと閉じた両の太ももに手をかけ、
「……ぁ、あッ……ま……」
両腿の間の膨らみが、大きく布地を張り上げている。
硬くなった逸物の先端部がとろりと糸を引きそうな程に、濡れていた。
汗とは違う、粘性を持ったトロトロの液体。
わたしは絶句した。
手を離し、後ずさる。
硬直していると、しゃくりあげる声が聞こえた。
見ると、
「ふ、ふざけん、なよッ……この、ド変態、女あ……」
聖くんは膝を抱え、ボロボロと涙を零していた。
頭が急激に冷えていくのが分かった。