第20章 悪事千里を走る
わたしはゆっくりゆっくりと腰を前に進める。
「う……うッ……」
ねっとりとした液が開いた後孔に絡みついた。
時雨先生が海老反りに身体を反らす。
「あッあぁっ……!」
じゅぷっと音を立てて先端部分を咥え込んだ。
「ン、ん……ッんッ……」
「先っぽ、入りましたよ」
時雨先生の肩がひくんと跳ねた。
汗でしとった内腿が震え、
「う……そ、っか……分かった……」
安心のような、不安のような、所在なさげな声を漏らす。
「はい」
わたしは一旦動きを止めて、時雨先生に目をやった。
わたしは両膝を曲げ、四つん這いの時雨先生を上から見下ろす。
こちらからは見えない時雨先生の顔は俯き、首筋には汗の雫が見える。
それだけでゾクゾクして、時雨先生のふるふると震える姿にどうしようもなく唆られる。
わたしは軽く腰を揺らし、竿を握る手に力を込めた。
「……そろそろもう少し……入れますね」
「わ……分か、った……」
時雨先生の余裕のない返答に耳を傾けるわたしも、余裕が無い。
興奮を剥き出しに、舌なめずりをした。