第20章 悪事千里を走る
わたしはこくりと喉をしゃくり、薄手のゴム手袋を取った。
利き手に嵌め、もう片手でローションのボトルを掴む。
「あ……」
時雨先生は勘づいたのか、肩を戦慄かせる。
肌は羞恥に火照り、不安の入り交じった瞳が揺れた。
わたしは自分の表情を柔らかく緩ませ、眉を八の字にした。
時雨先生を見る。
「怖いですか?」
尋ねると、時雨先生は首を左右に振る。
「て言うか……俺に拒否権なんてないから、俺が泣いても喚いても、なんでもして、くれ……」
時雨先生は仰向けに寝転んだまま、膝の裏に手をやる。
両膝を抱え、そのままぐっと持ち上げた。
震えがちに、大きく、時雨先生の両足が開かれる。
双丘が割り開かれ、
「ふ……ッ」
閉じた後孔が露見する。
外気に晒された菊座がひくんと収縮し、中心で熱を持った高まりがぴくぴくと上下する。
「……本当にお利口さんですね、いい子いい子」
わたしは時雨先生の太ももをそっと撫であげる。
「うッ……!」
瞬間、時雨先生の腰が跳ねる。
子供のようにぎゅっと眉を歪ませた。