第20章 悪事千里を走る
わたしは時雨先生にちらりと目線を投げる。
「人の私物を勝手にあんなことに使っちゃダメですよ」
デスクの鍵付き引き出しを開ける。
「時雨先生のお仕置はこれでしてあげますね」
時雨先生の目が見開く。
わたしが取り出したのは、男性器を模した玩具が付いたバンド。
腰に固定することが出来る革紐の中心から、やや細めの小さいディルドが伸びる。
人を犯すための道具、ペニスバンド。
時雨先生は察しがついたのか、引き攣った表情で、
「…………」
僅かに目元を赤くした。
わたしはペニスバンドを装着し、椅子から腰を上げる。
時雨先生の前に立ちはだかり、腰に巻き付けた玩具の先端を軽く撫でた。
ふるっと先が揺れ、玩具がしなる。
「どうですか?」
時雨先生の口端からフーフーと零れる荒い息遣い。
感に堪えないような、興奮しきったような。
そんな時雨先生の気持ちが手に取るように分かる。
わたしは興奮で乾いた唇を舐めた。
ゾクッとした快感が背筋を走る。