第3章 口は災いの元
白く細い脚。
女の子の様に綺麗な脚、けれど、中心の膨らみがアンバランスで不思議な色気がある。
細身の身体、整った顔立ち。
わたしはため息をつきそうだった。
「少し、触りますね」
滑らかな太ももに触れる。
聖くんが眉間に皺を寄せる。
すぐに手を離し、立ち上がった。
「変色してますね、すぐ冷やしましょう」
冷凍庫から保冷剤を取り出し、ハンカチを巻き付ける。
患部にそっと載せた。
聖くんの息が荒い。
わたしは薄く笑った。
「……ふふ、散々バカにしてた先生にこういう風にされるのって決まり悪いんですね」
聖くんの背筋がピクと動いた。
耳まで赤く染まっている。
小生意気だけど、生徒ってやっぱり可愛い。
「うる、さい……」
「こーら、そんな言い方しちゃダメでしょ」
わたしは聖くんのおでこをぺちんと叩いた。
「いッ」
聖くんはわたしを睨みつけたものの、すぐに言葉を飲み込んだ。
何となくだけど、少し反抗的な感じが治まってきたかな。