• テキストサイズ

男子校の女王様。

第15章 嵐の前の静けさ


わたしはそっとローターの電源を切る。

聖くんはそれに気がついたのか、言葉を早める。

「……などがあり、また、環境に対しての影響は酸性雨など……」

綺麗な声、流暢な音読。

聖くんの聡明さが伝わるようだ。

一瞬ザワついた教室も今や聖くんに尊敬の目を向けている。

わたしにいたぶられているのに、素っ気ない顔で素知らぬふりをしている姿。

嗜虐心を燃え上がらせる。

わたしはオフにした電源をつけ、目盛りを回す。

強に設定された玩具は激しく震え出す。

「あ……!」

聖くんの敏感な部分を容赦なく弄んだ。

「ああぁあッ!」

がくりと膝をつく。

教室がどよめき、ヒソヒソ声がする。

聖くんは教室中の視線を感じ取った。

「ぇ……あ、ッ……あ、あ……」

それに耐えられなくなったのか、

「ぁ……」

そのままがたんと体勢を崩した。

教室内がざわめきに包まれる。

わたしは教卓を離れ、聖くんの席に行く。

「一条くん、大丈夫ですか?」

聖くんは泣きそうな顔でわたしを見る。

その目付きはとろんとして、法悦していた。

「……一条くんは保健室まで連れていきますね、みんなは自習しててください」
/ 575ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp