第15章 嵐の前の静けさ
わたしはそっとローターの電源を切る。
聖くんはそれに気がついたのか、言葉を早める。
「……などがあり、また、環境に対しての影響は酸性雨など……」
綺麗な声、流暢な音読。
聖くんの聡明さが伝わるようだ。
一瞬ザワついた教室も今や聖くんに尊敬の目を向けている。
わたしにいたぶられているのに、素っ気ない顔で素知らぬふりをしている姿。
嗜虐心を燃え上がらせる。
わたしはオフにした電源をつけ、目盛りを回す。
強に設定された玩具は激しく震え出す。
「あ……!」
聖くんの敏感な部分を容赦なく弄んだ。
「ああぁあッ!」
がくりと膝をつく。
教室がどよめき、ヒソヒソ声がする。
聖くんは教室中の視線を感じ取った。
「ぇ……あ、ッ……あ、あ……」
それに耐えられなくなったのか、
「ぁ……」
そのままがたんと体勢を崩した。
教室内がざわめきに包まれる。
わたしは教卓を離れ、聖くんの席に行く。
「一条くん、大丈夫ですか?」
聖くんは泣きそうな顔でわたしを見る。
その目付きはとろんとして、法悦していた。
「……一条くんは保健室まで連れていきますね、みんなは自習しててください」
✱