第15章 嵐の前の静けさ
触れた場所に好き勝手に振動を与えることができる、大人の玩具。
オマケに遠隔操作が出来る優れものだ。
聖くんは身動ぎする。
『あ……そ、そんなのっ……』
『きっと、聖くんは心の底ではむしろ望んでいると思うんですけど……流石にこれはわたしが理由付けしてあげないと理性が許さないと思って。恥ずかしい写真で脅されて仕方なく、って』
わたしは椅子から腰を上げ、聖くんの耳に優しく語りかける。
『わたし思うんですよね、聖くんって実は自分が被虐嗜好があることを把握されて責められたいんじゃないかなって』
『ぅッ……』
『それに興奮するんじゃないのかなあ、って……』
聖くんは目元を湿らせ、ゾクゾクとした恍惚に浸っている。
わたしは小さく笑った。
『聖くんってわたしに叱られるの、大好きですよね?』
『あ……』
聖くんのお腹に触れ、下腹を辿る。
わたしは手の平に感じるその熱に、含み笑いをした。
『……養護教諭的には、もしかしたら聖くんの家庭環境とか、色々要因があるかもしれませんけど』
わたしはあくまで憶測ですけど、と話をまとめ、目を細める。
『でもそんなのどうでもいいですよね、今はわたしのただの玩具なんですもん』
『……はい……』
聖くんは上向きに張り出した制服から、熱く滾った自身を引きずり出した。
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