• テキストサイズ

男子校の女王様。

第15章 嵐の前の静けさ


放課後、わたしは廊下で立ち止まっていた。

わたしの目線の奥にはたくさんの書庫を備えた図書室がある。

その前でたむろっている複数人の生徒たち。

ある男子生徒が息巻いた様子で一人の生徒に向かって頭を下げた。

「聖会長、今日はわざわざ遅くまでありがとうございました!」

それにつられるように、残りの生徒もその生徒に向かって口々にお礼を言う。

「聖さんのおかげで頑張れそうですっ!」

「ほんとありがとうな、会長っ」

「ありがとうございます、一条先輩!」

みんなに感謝の言葉をぶつけられた彼は、おっとりした微笑を浮かべた。

「気にしないでください」

彼がにこやかに微笑むと、生徒たちはますます浮き足立つ。

彼は嬉しそうに帰っていく生徒たちを見送り、

「……ふぅうぅ……」

深いため息と共に眉間に皺を刻み込んだ。
/ 575ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp