第14章 風雲急を告げる
「ふふ、お預けされてたわんちゃんみたい」
「鍵……外し……」
「でもあんまり興奮しちゃ危ないですよ?」
時雨先生の顔色が変わる。
「いッ!」
悲鳴をあげ、包み込むように自身に手をやる。
わたしの読み通り、痛みに悶絶している。
「あッ……く、ふっ……」
「まだ慣れてないんですか」
わたしは腰を軽く折り、目線を合わせた。
時雨先生は脂汗を垂らし、辛そうに肩を揺らす。
「貞操帯着けたまんまで勃起しちゃったら、ぎゅう……って締め付けられて辛いでしょ」
「丸木戸っ……頼む……」
時雨先生の懇願を一笑に付す。
首を傾け、微笑んだ。
「お願いする時はどうするんですか?」
時雨先生が俯く。
「可愛くオネダリ、できますよね」
はぁッと一息吐き出す。
震え混じりの声で懇願した。
「貞操帯外して、ください……俺に、一週間ぶりの、射精させて、くださいっ……」
わたしは微笑み、時雨先生のお腹を優しく撫でる。
「あッ……は、うッ……」
「着けてて、どんな感じだったんですか?」
時雨先生は訥々と呟き始めた。
「溜まってきたら何しててもずっとムラムラして……だから勃起しやすくなるのに、したら萎えるまで締め付けられて……朝勃ちで目ェ覚めんの……」
わたしは顔を引き攣らせる。
時雨先生はそんなわたしを見て、にっと嬉しそうに笑った。
「めっちゃめちゃ痛ってぇの。最高……」
わたしは眉を顰めた。
「ほ、ほんとに変態ですね」
「ぁっ、は……今更だろ……」
時雨先生の腹部からそっと撫で下ろし、股間に触れる。
膨らみを包み込むケースの固い感触が手のひらに当たる。
「まあわたしが言えたセリフじゃないですよね。ふふ、よく頑張りました」
「うあ……っ、はぁッ……」
「一週間分、搾り取ってあげますね」
わたしは貞操帯の鍵を片手に、にこっと口角を上げた。