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男子校の女王様。

第12章 火に油を注ぐ


わたし達は顔を見合わせる。

「あ、アァん……もうやだぁ……」

「大丈夫だって……」

「ダメ……ッ、あぁ〜……っ」

知らない男女の嬌声に、わたし達は黙りこくる。

斗真先生の顔がみるみる赤くなっていく。

顔全体を真っ赤にし、立ち上がった。

「い、行きましょう丸木戸先生っ」

斗真先生の手を取った。

わたしは喉を小さく鳴らす。

「面白そうじゃないですか」

「えっ、そんなっ」

戸惑う斗真先生の手に指を絡める。

「でも出歯亀だなんて趣味が悪いですし」

わたしもベンチから腰を上げ、熱を込めて耳元に囁いた。

「わたし達も遊びましょうか……」

「あッ……」

斗真先生はふにゃふにゃと力を抜かした。


「そんな、あ……ダメっすよ、こんなとこ……」

斗真先生は困惑した声を漏らす。

視線を上向きに逸らし、外を気にした様子を見せる。

「じょ……女子トイレ……なんて……」

個室に二人で入ると狭く、密閉感が強まる。

斗真先生は落ち着かないようで、身を縮ませている。

わたしは身を寄せる。

不安と緊張で固くなった斗真先生に、ささめいた。

「じゃああの人たちみたいに外でしますか」

にこつくと、斗真先生は恥じらったように唇を薄く噛み締めた。
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