第11章 鞍上人無く鞍下馬無し
翌日の放課後、わたしはサヘルくんを発見し呼び止めた。
サヘルくんはキラキラした目でわたしの元に駆け寄る。
「あ、紗都せんせいっ、どうでしたか、ぼくのプレゼント」
「あの、えっと……その……」
わたしは言葉を選び、きょとんと首を傾げるサヘルくんに告げた。
「ふざけてます?」
「ええええッ!?さ、サイズが合いませんでしたか、そんなはずないはず、なんですけどそれならごめんなさいっ」
「サイズは合ってました、それも色々引っかかるんですけど……それよりも!」
わたしは眉間に皺寄せ、詰め寄った。
「……あれ、なんですか?」
「ボンデージです……」
サヘルくんは頬を染め、すらすらと喋り出す。
「せんせいの普段の白衣も素敵なんですけど、きっとこれがすっごく似合うと思うんです……本当はもっと色んな衣装を着て欲しいんですけど、まずはやっぱりボンデージを着て欲しくて」
熱く語るサヘルくん。
わたしは静かに口を尖らせた。