第9章 肉を切らせて骨を断つ
「……珍しいな、こんな時間まで開いてるなんて」
入ってきたのは聖くんだった。
見慣れた顔に一安心する。
聖くんの様子からも、先程の行為は誰にもバレていないようだ。
「まあ、今日は色々あったんです。聖くんこそ、珍しいですね」
「生徒会があって遅くなったんだ」
聖くんはわたしをじっと見ている。
用件を切り出す訳でもなく、わたしに何かを求めるうような意味ありげな視線。
わたしは聖くんに笑いかける。
「……もしかして、わたしに会いたくて来ました?」
聖くんはうっすらと顔を紅潮させ、肯いた。
「ん……」
珍しく素直な態度に、破顔する。
「また遊んでほしいんですか」
「っ……う……」
言葉を濁す聖くんの瞳を覗き込む。
「おもちゃみたいにされるの好きなんですよね」
聖くんは屈服したような表情に移り変わっていく。