第7章 七夜
「………そろそろか」
「ああ。今日の夜全員アジトに帰ってくる。その時話すつもりだ。」
「……………」
トビは以前イタチに言われた言葉を思い出す。“鷹”との目的の一致──────いよいよ長年夢見たことを果たすのも近くなるだろう。
「そう上手くはいくかな?」
トビは目を細めた。
ペインは目を伏せる。
「時折、不安になる。話をもちかけたアンタに言うのも気が引けるが……、俺達がしていることは本当に正しい事なのだろうか。」
「もはや善悪もないこの世に、正義だとか悪だとかいうのは通用しない。まあ、アイツらからしたら俺達は悪なのかもな?」
「………自分を正義だと言い聞かせてここまで来た。俺にはもう……」
珍しく気落ちしているペインの肩にトビは手をかけた。
「あの痛みを忘れちゃいないだろう?あともう少しだよ、弥彦……。」
ペインの表情が歪む。トビはひらひらと手を振り、部屋を後にした。
ここに来て、あの男が迷いを見せるとは思っていなかった。だが痛みとは時に良い薬となる。あともう少しだ………─────トビは気分が昂るのを抑え、手を震わせた。