第7章 七夜
突如ガクンと頭が落ちる。何事かと思えば、先程まで強く握りしめていた手は落ち、初な少女は寝息を立てていた。子供か……とつっこみつつ、畳に布団を敷いてその上に寝かせる。突然寝落ちてしまうなんて、よほど疲れていたのだろうか。
「…まさか身体が熱かったのも眠かったせいか?」
トビは意外な肩透かしを食らって、ただ笑うことしか出来なかった。
数時間後、寝ぼける鎖羅は道中倒れそうになるばかりで任務にならないので、アジトの外に寝かせてトビ一人で管理にあたった。朝日が昇ってもなお目覚めない鎖羅を抱え、二人は時空に吸い込まれる。
「おかえり……あーわかるわかる、よく寝るよなソイツ。うん」
本拠地のアジトに帰ると、デイダラは忙しそうに茶の間を歩き回りながらトビの腕の中で眠る鎖羅をみてうんうんと頷いた。その時二階からそんな彼を急かすサソリの怒号が響いた。
「はいはい!!今行くからァ!!」
ドスドスと駆け上がる彼をよそに、鎖羅をソファに寝かせてペインの部屋へ向かった。
「帰ってきたか」
「ああ」
備品の数など、管理の結果を記した紙を渡す。ペインはそれを確認して引き出しにしまった。
「どうだ?彼女は」
「良くも悪くも子供らしい」
トビはソファにドカッと座る。
「気に食わないか?」
「……さあ、どうだろうな」
それならペアを変えても良いが、と続けるのを断り、トビは長い息をついた。