第7章 七夜
トビは外に出て手頃な岩に腰掛ける。
(どうすれば良い──上手く手懐けるのには)
最初の事があってから、強引に攻めるのは受け入れられないと分かり、スキンシップから始めた。今日の反応からして効果が出ていない訳では無いだろうが、牛歩では間に合わない。
「その前に、あの術の使用を辞めさせなければ………」
「……トビか?」
イタチが洞窟から出てくる。蘇生忍術のお陰もあって傷はたちどころに消え、身体の状態は申し分ないようだ。
「ああ、イタチ。よく生き返ったな」
「鎖羅が尽くしてくれたからな。……ところで、サスケに全て話したのはお前だな?」
「まあ今更隠すことも無いだろう。お陰でお前があのガキに与えたかったものも得られたし……な。」
イタチは眉を顰める。真実を全て教えられてしまったのは心から気に食わないようだ。
「サスケは眠りについた。明日の朝にサスケの仲間が迎えに来るだろう。」
「……お前はどうするんだ?」
含みのある物言いにイタチは足を止める。元来彼が暁に入ったのだって、里の脅威となりうる彼奴等を監視する為だ。犯罪者として殺害を願っていた弟と和解したとなれば、もう悪人を演じる必要なんてないはず。
「俺はまだこの組織に身を置かせてもらう。一族を殺した罪に変わりはない。それとトビ……」
「なんだ?」
「これからのことは全てサスケの意思に任せる。そしてお前からリーダーに言っておけ。サスケは必ず─────────」