第7章 七夜
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マダラは腰を上げ、すぐ側の柱の松明の灯火を消した。
兄の“真実”を全て聞いたサスケは、ただ呆然とどこかを見つめていた。
頭を殴られた程の衝撃、そして自分が今までイタチを憎んでいた心との融和。
はて、この先この小僧はどちらの道に進むのか、とマダラは賭けをするように先を予測した。
その時、鎖羅の目尻から、涙が一筋零れる。
それを見たトビは時空に飲み込まれ、消えていった。
「ッ!!」
目を覚まし身体を起こすと、松明の明かりにぼんやりと照らされた少年と、イタチさんが視界に入った。
「………トビさんは?」
「………分からない」
傷だらけの少年の表情はどこか放心しているようだった。無理もない、兄を殺したとすれば計り知れない悲しみに駆られるだろう。
立ち上がってイタチさんの亡骸に寄り添う。
夢に見たのは、ついさっきまで繰り広げられていた戦い。それを私は、誰かになって上から見ていた。誰かは分からない。だが、争うふたりをみてただ心は悲しみに包まれていたのは覚えている。