第7章 七夜
任務を中断し、一目散にアジトへと帰った。
トビさんは離れの隠れ場所へと少年とイタチさんを連れていった。その間、私はサソリさんの元へと向かった。
「サソリさん!」
「……おい、ノックぐらい」
「あ、あの、睡眠薬って貰えますか?出来れば効果が早めに出るものを!」
物凄い剣幕で現れた鎖羅にサソリは目を見張った。作業をやめ、薬品棚のすぐ横のケースに陳列してある多くの密閉瓶の中のひとつを手に取った。
「コレは空気に触れると一気に気化する。だからこの袋に瓶ごと入れて袋越しに蓋を開け、袋の口から吸え」
「ありがとうございます!」
「何に使うんだ?」
サソリは眠れないワケではないだろ?と目を細めて言った。薬と袋を握りしめて鎖羅は返答に吃る。そんな様子を見てサソリはまた作業を始めた。
「まあ、なにかワケがあるんだな。いいよ、聞かねェから早く行け」
カチャカチャと工具をいじる音が鳴り始める。鎖羅はお礼を言うと、全速力で隠れ場所へと向かった。