第6章 六夜
「ナルト!」
「螺旋丸!!」
手のひらから血を流しキバを押さえつける。その瞬間、響き渡った雄叫びにハッと顔をあげれば、木遁に縛られたトビさんに九尾の人柱力は出会い頭と同じ様に右手を突き出して向かっていった。まずい、やられる───────
木遁は一気に打ち壊され、ナルトは螺旋丸を思い切り地面に叩きつけた。
またしても手応えのなかった感触にナルト達は顔を見合わせる。
「いや〜、ボクって身体柔らかいんですよね、ハハ!」
「よ、よかった……」
水分不足に喉の乾きを感じながらも、首をコキコキと鳴らすトビさんの元へと駆け寄る。
「ナ、ナルト……」
「ああ、タイミングは完璧だったはずだ……」
(やはり時空間忍術の類か……)
攻撃を当てることが出来ねばナルトが言っていた通りいつまで経ってもラチがあかない。ヒナタに視野を広げてもらってはいるものの、チャクラ感知も効かなければ為す術はなかった。