第6章 六夜
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「あ、あいつは……!」
ナルトが見上げる先には、橙の仮面の男が木の枝の上に立っている。外套は特徴的な赤雲が漂っている─────暁だ。
サスケ奪回作戦に参加したナルト達木の葉の忍は、サスケの足取りを追っている最中に暁と対峙した。
「あらら?皆さんお揃いで」
「どうします、カカシ先輩!」
「フォーメーションBだ、やつを捉えてサスケの居場所を聞く!」
「!」
ナルトが螺旋丸を振りかざし、トビ目掛けて降っていく。影分身か、そう判断しすり抜けようとするが、体を通ることなくナルトは消えた。
「暁二人か……!マズイな」
カカシは策を練る。仮面の男はともかく、隣の少女はなにも情報を得ていない。このまま作戦通りの動きで良いのか、それとも相手の出方を待つべきか……
「トビさん、早くアジトいかないとッ?!」
三白眼の少年は犬を従えてドリルのように回転して向かってくる。クナイを構えるが未だ戦ったことの無い相手に対処法が思いつかない。
「通牙!!」
太い木の枝はバックリと丸い穴を開け欠片が舞う。二人を捉えた筈だが、トビと鎖羅は傷一つ無く別の木の枝へと飛び移っていた。
キバは減速せずそのまま地へと突っ込んで埋まってしまった。そんな彼を心配して白い犬はか細く鳴きながら駆け寄る。