第5章 五夜
「鎖羅、部屋に来い。」
「?はい、リーダー」
言われるがまま二階に上がり、廊下の突き当たりのペインの私室へ入る。
薄暗い部屋の中は西日が差し込んでいてコントラストが激しい。キラキラと漆が光るテーブルを挟んでソファに座る。
「加入して一週間ほど経ったが、特に難なく任務をこなせているようだな。」
窓際に置かれている現代的な丸い形をした椅子にペインは腰掛ける。すぐ側には小南が佇んでいた。
「して、今度からトビとツーマンセルを組んで欲しい。幸いお前のノルマは達成済みだ、仕事は増えるが暇にはならないだろう。」
「あ、呼びました?」
拍子抜けした声が部屋に響く。ペインがソファを指さすと、トビはボスン、と席に着いた。
「………デイダラとサソリ達との行動に慣れてきた頃かもしれないが、新人同士で頑張って欲しい。」
「よろしくお願いしますね、鎖羅先輩?」
手袋に包まれた手が差し出される。
奇妙な面の男に若干の抵抗感を抱きながらも、手を結んだ。