第5章 五夜
「新入りのトビだ。」
「よろしくお願いしま〜す!」
オレンジの渦巻いた面を付けた男がハツラツと手を挙げている。いままで殺伐としていたアジト内は急激にシュールな雰囲気に支配された。
「い、いや、あのよォリーダー、さすがに人取りすぎじゃねぇの?うん……」
「足りないという訳では無かったはずだが……」
イタチは鎖羅に視線を向けながら呟く。それもそのはず。大蛇丸が抜けた分の場所は鎖羅で埋められたし、何よりこの男の封印に於いての担当場所がない。暁は人手不足に陥っている状況ではないのに、これでは食費や給料などの諸々の経費がかさむだけだ、と角都は頭を抱えた。
「あ、あれ?もしかしてボク、歓迎されてない?」
「………尾獣集めは既に割り振られたメンバーで進めていく。その他の雑務は全てトビに任せることにする。これならば尾獣集めにだけ専念できるはずだ、決して失敗は許されないぞ。」
「ええと……まあ探すところからの人柱力もいますし、助かるといえば助かりますね……」
いままで疑念のような、呆れのような表情をしていたメンバー達は鬼鮫の一言によって納得させられたようだ。解散したあと、特に新入りに触れることも無く各々のしたい事をし始める。