第5章 五夜
「うんしょ、うんしょ」
「トビ、早くしないと木の葉の忍共が着いちゃうよ」
「そんなこと言うならゼツさん運んでくださいよ〜!ゼツさんの方が早いでしょ!絶対!」
「え〜?トビこそ時空間忍術使えばいいじゃん」
「宝ノ持チグサレダナ」
「あ、そっか!」
トビは引きずっていた鎖羅を肩に担ぐと、みるみるうちに空間に吸い込まれて行った。
それを見届けたゼツも地中に埋まっていく。
「さ〜てと!この辺でいっか!」
崖の麓に鎖羅を寝かせ、すぐ上の木の枝に飛び乗る。ここからなら見渡せるだろう。
飛段の背後から忍び寄る男が1人。その瞬間に印を結んで幻術を解いた。
「そんな早くて良かったの〜?」
「いいンスよ」