第4章 白昼夢
「あ、あっ、鎖羅!」
覚束無い足取りで歩き出すが、こてんと倒れてしまう。みるみるうちに顔は険しくなり、大きい声で泣き出してしまった。
「どれどれ、ほーらお父さんだぞ〜」
ひょいっと持ち上げられた鎖羅はくるくると回されると、泣き顔はどこへやら。
「来年にはもう修行ですか?」
「ああ、お前たちに頼もうと思ってるよ」
一族の次期当主は代々アカデミーに通わせず、その里で一番優秀な忍に教育を任せる。里長の右腕のスメラギと、代々一族に仕える家系出身のウズメがその役を持つようだ。
「それは良いですね。体術では誰にも引けを取らないウズメと、忍部隊隊長のスメラギだったら心配なく預けられますね。」
「ええ!任せてください当主様!」
「ウズメ、御息女様をあまりごつくさせるなよ。お前みたいに」
「あぁ?!なんだスメラギ?!?」
スメラギとウズメの掛け合いを夫婦は笑いながら見守る。この1年後、木の葉の里ではうちは一族が一夜にして滅亡した。