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邯鄲の夢【NARUTO】

第4章 白昼夢




里の病院から元気な産声が響く。
脂汗を流して息を荒らげながら、小さく可愛い手を握った。

「……ちいさい……」

「女の子ですよ当主様、きっと同じくらいお美しい子に育ちますね!」

産まれたばかりの赤子は力強く母の指を握った。



里長の業務はとても忙しない。
しかし、いつものような治安統制や建設の許可、任務の割り当ての仕事ではなく、職員たちはきゃいきゃいと騒ぎながら飾り付けを楽しんでいる。
もはや里全体がお祝いムードだ。
里長は執務室のドアノブを開けた。


「「「おめでとうございます!!!」」」

パン、という小気味良い音と共に鮮やかで光り輝くテープが頭に降り注ぐ。最初は驚いた顔をしたものの、里長の顔はすぐにだらしなく綻んだ。

「いやぁ〜アハハありがとうね!」

「無事にご出産を終えられて良かったですね!今日含めて三日間、業務も全てストップして里全体でお祝いですよ!!」

スメラギは満面の笑みで机の上の書類を全て避け、華やかな衣装を更衣係に押し付ける。

「当主様の容態は安定していらっしゃいますか?この後正午から民へのお顔見せなのですが」

「ああ、大丈夫だ。」

真っ白の上着と瑠璃色の袴を身につけ、竹笠を被る。目元にポンポンと赤を落とすのは代々伝わる里長の化粧方法だ。
執務室から出て、階段を降りる。すれ違う部下たちからかけられるお祝いの言葉にお礼を言いつつ、一族関係者の居住区へ向かってドアをノックして部屋に入った。

大きな窓の横には広いベッド、風がカーテンを揺らして暖かな日光が新生児と当主を包んでいる。伏せられた睫毛は白い瞼をさらに美しく見せ、優しくゆらゆらと揺れている様子はまるで聖母のようで、自然と息を飲んだ。

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