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邯鄲の夢【NARUTO】

第22章 夢現




ハッ、と意識が戻ったと思えば、鎖羅が立っていたのは森の中だった。



どこか見覚えがあるこの場所、間違いない。
夢見の里、出入門のすぐ近くだった。

混乱している。間違いがなければ、先程まで自分は木の葉の自宅にいたはずだ。
だが、こうして森に立っていることも自然な様に思えてくる。……今まで夢を見ていたのか?愛する人との生活という、霞に過ぎない夢を?



「ハムラ様、無事儀式を終えたようです。」

門から白い装束を身にまとった数人の男たちがこちらへ歩いてくる。鎖羅は見つかってはマズいと思い、すぐに傍の木陰へ身を隠し耳をそばだてた。


「そうか。……ならば後は、彼らの血の繁栄を祈るのみ。栄枯衰勢が世の常なれども、夢から愛された夢見の一族は、千年後にも必ずや滅びることはなかろう。」

「ですが、御母堂のチャクラの一部を分け与えるなど、少々危険が過ぎるのでは?ましてや、転生眼の素体となる禁術まで……彼らはいくら大筒木の系譜と言っても、端の端であられます。上手く扱えるのか……」

「だからこそなのだ。それに、彼らは特に信心深い。創始者である私の言いつけもよく守ってくれるに違いない。それに……」


パキン、と小枝が折れる乾いた音。


「時が来たようだな、鎖羅よ。」


ハムラ様と呼ばれていた、容姿端麗で中性的な男性は、木陰に隠れていたはずの鎖羅の背後に立っていた。
人とも言えないその異様な雰囲気に、鎖羅は僅かにマダラのそれを感じ身構えた。しかし、醸し出されるチャクラは酷く穏やかで、殺気というものも感じられない。


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