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邯鄲の夢【NARUTO】

第22章 夢現



(まるで出会った時とは別人……。)

鎖羅は今でこそ木の葉にこうして定住しているが、本来の出身は雲隠れにほど近い、小さい里の出身だった。そこは長らく他の血筋の流入を許さず、永遠の中立里として繁栄していた。

しかし、ある夜のこと、母である当主が死んだ。
まだ年端もいかなかった鎖羅にもちろん当主を務められるほどの能力もなく、しきたりに従い母のチャクラを受け継いだ後は成人するまで修行のために各地を渡り歩いていた最中に、木の葉のトップである火影が所有する傭兵集団“暁”へ加入の声がかかった。


そこのツーマンセルで出会ったのが彼、うちはオビトだ。

その闇色の髪はイタチとは別の家系であるのだろうか、棘のように毛羽立っている。そしてうちはの血筋であることを表す両の目の写輪眼。小さい頃の任務で負ったという顔の傷があったとしても、鼻筋が通り唇薄く、顎の小さな美的な顔立ちに霞がかることはない。
鎖羅は膝の上で目を瞑るオビトの頬を撫でながら、胸の内に湧き上がる愛しさを感じていた。

そうしていれば、オビトは突如起き上がり鎖羅の掛け布団を捲って隣に入り込んできた。

「わっ……足冷たい」

自分の傍らに丸まった毛布を広げてオビトにかけてやりながら、伸ばされた腕に頭を預ける。


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