第21章 二十一朝
空の風の冷たさが鎖羅の頬を冷やしていった。
その事に鎖羅は今まで自分の体が熱を帯びていたことに気づく。
自分にとっての戦争の目的を果たせたのかしもれないが、鎖羅はオビトと神威空間にて対峙した先程とはまるで違って、「まだ終わって欲しくない。」
……不思議とそう感じていた。
「おい、そんな辛気臭ェ顔すんなよ……、死んだって決まったわけじゃねーだろ、うん……。」
「……わかってます。」
「……ハァ。そんなに気になるならよ、ゆっくり飛んでやっから、あんまり身を乗り出して落ちるんじゃねえよ、うん。」
デイダラがそう投げかけた直後、地面の岩が空へと集まりいくつもの球体を作った。まるでペインの地爆天星だ。
見上げて口を開ける隙もないうちに、それらは急に浮力を失って雨のように注ぎ降ってくる。
「待てッ!撤回だ!うん!」
ヒュ、と鳥が風を切る。鎖羅は印を組み、水断波で岩を真っ二つに切ろうとするが大きすぎるそれは破片すらもデイダラたちを覆い隠してしまう程だった。
「デイダラさん右っ!!」
「分かってんぜ!」
鎖羅は身体を低くし、頭上スレスレに通った岩を避ける。デイダラはその隙に小さい起爆粘土を空中へばらまいた。
爆風を切って抜け出す。ビシビシと小さな岩の破片が2人の身体を叩く。