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邯鄲の夢【NARUTO】

第20章 二十夜



「……君は何者なんだ?人……ではなさそうだね」

「オレハマダラノ意志ソノモノダ。オ前達ハオレノコトモマダラの計画モ甘ク見スギタノダ。
コレカラマダラガコチラヘ到着スルマデノ間、……ソシテ、オビトノ命ガ尽キルマデ、オ前ラト戦ウ。」


黒ゼツに取りつかれたオビトの意識が既に消えかけているのは一目瞭然だった。
締まりのない口元に、覇気を帯びていた表情と気品のある目元は、今では文字通り魂が抜けているように感じられる。

もう、トビ──うちはオビトとはこれが最後になるかもしれない。
鎖羅は愛する者との別れを覚悟する。
ミナトは螺旋丸、カカシは雷切を発動させる。
鎖羅はかすかに息を吐き、2人と足を並べ、両の腰から武器を引き抜いた。

「───ククク……」

黒ゼツが大きく地面を蹴りあげて向かって来る。
狙いはカカシの様だ。構えた雷切をオビトの顔面に向けて突き出した。黒ゼツは躊躇いの無い攻撃に意表を疲れたのか、一瞬バランスを崩したが攻撃を避けきり、カカシの背中へ蹴りを回しいれる。

「フン……モウコチラノ目的ハ分カッテイルトイウコトカ……」

黒ゼツは次いで打ち込まれたミナトの螺旋丸に気を取られ、蹴りのすぐ下でしゃがみこんでいた鎖羅に気づくのが数秒遅れた。
すぐ耳元で螺旋丸が風を切り裂く音がする。足元の死角から一歩、鎖羅は大きく黒ゼツへ踏み込み、拳の裏をオビトの顔めがけた。

それを受ける黒ゼツ、鎖羅は攻撃の手を止めることなく、一歩、また一歩と足を地面の上で滑らせるように踏み足を繰り返していく。

オビトの腕、拳、足が鎖羅へと飛んでいく度に、それを受ける破裂のような音が響いた。また同じく、鎖羅の突きと蹴りもオビトの体は素早く防いでいく。

「体術ダケデオレト張リ合オウナンテ、舐メスギダ」

「ぐっ……!」

黒ゼツは矢継ぎ早に繰り出されていた攻撃を、鎖羅の手首を掴んで中断させた。そしてそのまま力を前へと込める。姿勢を崩されまいと鎖羅は後退りして抵抗するが、オビトの写輪眼が鎖羅の瞳を捉えた。

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