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邯鄲の夢【NARUTO】

第3章 三夜



二日間の三尾封印を終え、我愛羅の遺体を返すために砂隠れへ向かう。風は幸運にも弱風で、舞い上がる砂に目を瞑りながら砂漠の上空を飛んでいた。サソリさんは身体を改造し始めているため、雑菌を繁殖させてはいけないので熱い場所には来られないらしい。


「あーあ、手厚い歓迎だぜ。うん」

下を見下ろすと、大勢の砂の忍と木の葉陣営が小さく点在している。黄色い髪が太陽の光を反射する。九尾の人柱力だ。

ゆっくりと降下し、柔らかい砂漠の上に降り立った。鳥の口は我愛羅を放り投げる。

「我愛羅!!」

「息してない……そんな!!」

デイダラさんが踵を返して鳥へ向かおうとする。しかし、九尾の人柱力は猛々しく走ってきた。

「お前ぇえ!!!」

目が赤く染まり、口は牙を向いている。まさしく妖狐の姿であった。木の葉の忍の制止を振り切り襲いかかってきたのを顎を蹴りあげて吹っ飛ばす。周囲は黄土色に染まった。

「鎖羅、行くぞ」

「はい」

鳥へ飛び乗り、一気に上昇する。九尾の人柱力の叫び声と、砂の老婆が回復忍術を我愛羅にかけている様子はどんどん豆のように小さくなり、果ては見えなくなった。


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