第20章 二十夜
1人ずつ須佐能乎と合体した九尾の尾の中に入っていく。鎖羅はリーと同じ尾に入ったが、戸惑いが隠せないでいた。
『ナルトくん、私は……私はこんな所に皆と来ていい人じゃ……』
『暁だからか?そんなのどうだっていい!お前ン中にだって、アイツをどうにかしてやりてえって気持ちがあるんだろ?』
『……!』
『オレも……そう思うんだ。だから鎖羅、力を貸してくれ!』
仙人モードの外套が十人を包んだ。
巨大な螺旋丸に手をかざし、オビトの構える盾を見つめる。
『ボクが上手くできるかな?』
「……大丈夫」
鎖羅は躊躇うリーの手を掴む。九尾のオーラが重なり合い、鎖羅はリーがチャクラを込める手助けをする。
(行って!みんな!!)
それぞれの螺旋丸が盾に打ち込まれた。バキン!と金属が弾けるような音が響くと、その境目をナルトとサスケは須佐能乎の剣で貫くようにねじ込む。
オビトの意志を宿し遺伝子の形を模したぬのぼこの剣と、仲間の想いを乗せた須佐能乎の剣がぶつかり合う。剣先が触れた瞬間に、オビトは剣を掴むその手から神経を通じ、有り得たかもしれない未来をイメージしてしまった。
(なぜ、こんなイメージを……)
オビトの体から尾獣チャクラが抜けていく。