第20章 二十夜
「……どうなった?!」
忍達は衝撃に備えた姿勢のまま、困惑気味にあたりを見渡した。オレンジのオーラが揺らめく。
「瞬身か?……いや」
ペインは地上に降り立つと、自身を包むチャクラがナルトと九尾、そしてもう1人のチャクラと絡み合っている様に感じた。
「四代目の飛雷神だ、恐らくは」
イタチの万華鏡がゆっくりと巴の形へと戻る。
ミナトの陰、そしてナルトの陽の尾獣チャクラを前にして、十尾を取り込み完全体の人柱力となったオビトは顔色ひとつ変えることなく対等に戦っている。結界の外からでも分かるほどに、強大な尾獣チャクラだ。
すると突然、オビト達を囲っていた結界は布がちぎれていくように消えていった。忍達は口をあんぐりと開けたまま、十尾から生えた大樹の触手に逃げる間もなく身体を絡め取られていく。
「ぐぁっ!」
「これは……!」
意志を持った根に囚われた忍は一瞬にしてチャクラを吸い取られ、肉を吸い削り骸骨のように変貌していく。
「クソッ!鎖羅、絶対落ちるなよ!」
その根の手は空へと及び、鳥の尾を追いかけてくる。