第20章 二十夜
「おい角都!どうすんだよ、ガキ共に見せ場取られちまってんぞ!!」
鼓舞されたナルト達木の葉陣営は、それぞれの班の強みを活かしてみるみると分裂体を倒していた。
そして暁、デイダラとサソリは各々の手数の多さにより単独で動き各個撃破、イタチと鬼鮫は須佐能乎を利用して広範囲にわたって攻撃をしている。ペインはその輪廻眼によって母体の十尾を小南と共に狙う。
角都は倒れた忍の傷口を抜い終わり、プチンと触手を切り離した。そんな様子に飛段はイライラと貧乏ゆすりをし、鎌の柄が地面に当たってガンガンと音を立てている。
「あんな殺りがいのない木偶の坊など、殺すだけ無駄なだけだ」
「俺よォ、こんな状況でもお前のその協力しねぇ所っつーか、自分のことしか考えてねえとこが割と好きだぜ」
「殺すしか能のないお前に言われたくないな。少しはその不死身と呪術を活かしたらどうなんだ。」
「っせーよ!世界が終わる時ってのは神の最後の審判なんだぜェ、そんな時こそジャシン様への信心を深めて祈る時だろーが!」
飛段は上にペンダントを掲げて目を閉じる。
視覚の情報が途絶え、聴覚が研ぎ澄まされていく。阿鼻叫喚、死屍累々。
「ハァー、信心深くねぇ奴らは地獄に落ちるんだよなぁ」
「祈りが地獄の沙汰を左右するだと?抜かせ、俺は金しか信じない。」
「あーあ。鎖羅なら分かってくれるぜェきっと!なんてったってあいつは俺と同じ宗教家でちゃんとした一族の巫女で……あれ。何の一族だっけ?」