第19章 十九朝
マダラの体に空中に散乱した塵が集まり、上半身と下半身が繋がる。
カカシの後ろに隠れ、眉根に皺を寄せて苦しそうな表情を浮かべる鎖羅に、オビトは僅かに苛立ちを覚えた。
やはりあいつにはリンほどの器など無い。
今となっては、何故あんなにも執着していたのかすらも思い出せない。
だが、この苛立ちの理由は何だ?
なぜ俺は……俺から目を背ける鎖羅にこんなにも心を掻き乱されているんだ?
「……だ、そうだが、オビトよ。砂利はああ言っているが、オレたちの十尾との繋がりは切れてしまったな」
「くだらない冗談を言うな。」
制御の無くなった十尾はその開放感を味わうように先程よりも活発に尾を動かし、雄叫びを上げている。
連合を襲う十尾の攻撃は、ナルトがそれぞれに分配したチャクラのお陰で防がれている。しかし、当の本人は膨大な人数に気を配っているばかりなせいで体力を随分と消耗していた。
「まあ良い、そのお陰で身軽になった」
マダラは団扇を握りなおして積み上がった瓦礫を軽快に飛んでいく。着地したと同時に、オビトとマダラは火遁を繰り出した。
ごうごうと燃え盛る炎さえも、ナルトによって強化されたチャクラの盾を燃やすことは出来ない。すかさず二人は瞳にチャクラを送り込み、瞳術を発動させる。
マダラの須佐能乎の勾玉、そしてオビトの時空間から吐き出された無数の忍具が連合を襲う。しかし、これすらもナルトは防ぎきってしまった。