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邯鄲の夢【NARUTO】

第19章 十九朝



「鎖羅!!」

「ッ!」

ハシバミの声にハッと顔を上げる。
目元が覆われたせいで上手く表情が読み取れない。だが、その声色は壊れそうになった鎖羅の心を繋ぎ止めるのには十分だった。

「絶対に、死んでいった奴らの事を哀れむんじゃねえぞ!お前が申し訳なく思うほど俺達の仲間は惨めじゃねぇ!皆死ぬことなんて覚悟してお前に命預けてんだ、リーダーならその死を糧にあいつぶん殴ってやるぐらいの気概を見せろ!」


十尾は尾獣玉の反動に耐えるため、自分の尾を身体に巻き付ける。その矛先は足元の連合軍へと向いていた。

「ここを狙う気だ!!」

サイは超獣偽画にビーを乗せ、尾獣玉へ距離を詰める。追突寸前にビーは飛び降り、一瞬で尾獣化
すると己の尾獣玉で相殺した。

巻き付けられた尾は八尾の尾獣玉によって急激に膨らんだ体躯を抑えきれずに四方八方へと散らばる。

「……#NAME1!」

ナルトは九尾のチャクラを体に纏わせ、影分身を戦場へと駆り出した。鎖羅の眼前に走るナルトの手が迫る。恐る恐るその手を打つと、その瞬間、全身の毛が逆立つほどに体のエネルギーが溢れ出した。橙の九尾チャクラが鎖羅の体を包む。ハシバミも同じく、その力強いオーラに感嘆の声を漏らしていた。

「すごい……馴染む」

伸ばされた十尾の尾に、鎖羅は咄嗟に拳を出した。するといとも容易くその尾を弾き返した。

「これなら、私一人でも……!」

全員の受け渡しが済み、連合軍は再度奮起した。
奈良一族が抑えきれなかった尾を跳ね除ける。格段に力が上がった彼らの反抗にオビトとマダラは思わず全身を強ばらせて踏ん張った。


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