第19章 十九朝
「……鎖羅だ」
メンバーはこちらに向かってくるチャクラの存在を感じ取る。鳥に乗ったデイダラが後ろを振り向くと、黒い外套がはためいているのが見えた。
デイダラはくるりと嘴を急旋回させ、地面に向かって頭を下げる。鎖羅の頭ぎりぎりまで飛び、その外套の裾を掴んで腕を振り上げた。
「ありがとうございます!」
「元気そうじゃねぇか。掴まってろよ」
普段のドラゴンとは違い、燕のように鋭い羽の鳥がデイダラの言葉と共に一気にスピードを上げる。視界を遮る土煙の中を進むと、地上には大勢の人が見えた。
「第1部隊、到着!」
「第2部隊も到着だ!」
「第3部隊到着!」
「第4部隊、到着」
「第5部隊も同じく!」
「医療部隊も来ました!」
「感知部隊到着!」
「新暁……いや、傭兵連隊、到着した」
「暁、到着だ」
木の葉の油女一族、そして霧隠れの術によって、忍連合が覆い隠される。前方の十尾の尾がそれを薙ぎ払うのと同時に発生した大きな衝撃波を、風切りの術が退けた。
戦場に今、全員が集結する。
対峙するのは十尾、そしてうちはオビトとうちはマダラ。
(………トビさん)
「これでもう、ウゴウノシュウじゃねぇ!今ここにあるのは、忍連合軍……の術だ!」
前線に立ったナルトの声が響く。その言葉に、オビトの表情が歪んだ。
──────────……
戦場に向かうデイダラの鳥の上、鎖羅は頭の中に突如響いた声に肩を揺らす。
『鎖羅、聞こえるか』
『シカクさん!』
『良かった、先程まで繋がらなかったから心配してたんだ』
『すみません、少し事情が』
『その間に連合のみんなに作戦を伝えた。今からそれをお前にも伝える。加えて、暁として別の作戦にも当たってもらう。よく聞け……』
──────────…
「行くぞ皆ァ!最終決戦だ!!散!!」