第19章 十九朝
「え〜〜っと……トビがぁ、マダラで、でも本当はマダラじゃなくて、本物のマダラは穢土転生されてて……じゃあトビは誰なんだよ?!」
「あの髪色からしてうちはの者に違いは無いはずだ」
小南はうんうんの頭を捻る飛段にそう言い、鎖羅を角都にみせた。
「……これは、傷口を縫ったとしても回復するかは分からんぞ」
「構わない。手当が終わるまでに医療班を呼んでくる。」
鎖羅の体を包んでいた紙が背中の羽に集まり、ぶわりと風をおこして飛んで行った。
鎖羅がどこかへ消えてしまったあと、足があるデイダラと小南は一足先に戦場へと向かった。空中からデイダラのスコープで偵察していると、一人の仮面の男と戦う鎖羅が見えた。
デイダラの話によると、その男は火遁を使い、また写輪眼を使っていたようだ。
「イタチさん、なにか心当たりは?特徴からして同じうちはであることは確実ですし」
イタチはそう問いかけた鬼鮫に、僅かに振り向いて鋭い眼光を向けた。
「お前にもあるはずだ」
「……いやいや、イタチさんには敵いませんねぇ」
角都は皮膚を荒い縫い目で縫い合わせる。サソリが生命兆候を確認しているが、険しい顔からしてかなり危ないようだ。