第19章 十九朝
腹に突き刺さりそうになったチャクラ棒を銃で無理やり跳ね除けた。金属が擦れる音が響く。鎖羅の武器は陶器製だが、あの芸術家たちの造形だ。強度に不安はない。
「そしてお前の実力が頃合になった時に暁へ加入させるために、オレは里の忍達を操り里を燃やした。S級犯罪者に認定されるのには十分な被害だった。」
「禁術が欲しいだけなら、里と一緒に私を殺して奪えばよかった……!なのにどうして私独り残したんですか!それに……どうしてあんな、貴方を愛してしまうような真似を……!」
鎖羅はオビトの蹴りを脇腹に受け、膝を折りそうになるが何とか持ちこたえ、言葉を待つ。
「そうだな……言い表すなら、余興、とでもしておこうか。だからお前との情交は楽しくなかった訳では無い。なにせオレ自身が自らのために作り上げた愚鈍な“鎖羅”だ………愛しくも思うだろう?」
オビトは銃を構えて懐に飛び込んできた鎖羅の腰を力強く抱き寄せる。覚えのある感触に鎖羅は僅かに肩を竦めた。
「心から愛してはいなかったがな」
「ッ、う、ああああ!!」
肩を抱くオビトの手のひらからゆっくりと生え出す棒が鎖羅の肩の肉を突き刺して侵入してくる。ジンジンとした激痛に悶えるがオビトは鎖羅の体を離そうとしない。
「お前の血を全て一滴残らず取り込めば……禁術が使えるようになる。そう思わないか?」
「い、いたい!!あぁあ゛あ!!」
鎖羅の肋骨に添えられた手から生えたチャクラ棒が骨を砕きながら同じように鎖羅の体を穿つ。耐え難い痛みに弓のように体を仰け反らせ涙を零した。
「ああ……お前のその痛みに歪む顔はいつだってオレを楽しませてくれる。オレの夢のために使命を果たして死ぬんだ、最後ぐらいは優しくしてやろう」
オビトは力を強めて鎖羅を腕の中に抱き込めた。ぶつん、とチャクラ棒が鎖羅を貫通し、重なるオビトの体に入ってくる。二人の血は交わり合う。
「愛してる、鎖羅」