第2章 二夜
機能停止した核をぽっかりと空いた穴にはめ込む。飛び出た毛細血管は身体に定着はしなかった。
「で、どうするんだよ?」
「里に伝わる禁術を使います。これを狙って多くの命が失われてきた……罪深い術です。」
背負っていたリュックから巻物を取り出す。
術者の力量次第、と書いてあるが、母のチャクラのお陰で難なくこなせるだろう。
巻物をサソリさんの横で広げて、手順通りに進めていく。指を噛んで核に血を垂らす。
最後の印を結び終えた。
私の心臓の鼓動と同じリズムで核は脈打ち、身体と繋がっていく。
「っふ、ゥ……!」
ビクン、とサソリさんの身体が跳ねる。背中の刃、お腹の縄は灰となり消え、関節のつなぎ目はみるみるうちに融合していく。
「すっ、げえ……うん……」
最後の繋ぎ目が消えた瞬間、サソリさんは自発呼吸を始めた。
「だ、旦那!旦那!」
「んッ……あ?何だ……」
大量の汗と痛いほどの心臓の脈拍に倒れ込む。チャクラの大部分は使ったが、禁術の負担は大きかったようだ。