第18章 十八朝
右腕から伸びた九尾チャクラは男を頭から叩こうとする。しかし、それもすり抜けられてしまう。
「カカシ!俺達も……!」
カカシは依然、どこかを見つめて立ちすくんでいた。そんな様子のカカシを見た鎖羅は唇を噛み締める。
「カカシ先生!!」
「!!鎖羅……」
眠たげな目が大きく見開かれる。
ガイはやっと心を取り戻したカカシに声をかけた。
「しっかりしろカカシ!奴を攻めるには陽動の手数がキモになる!4人でいけば必ずチャンスは掴めるはずだ!
…お前が今、何を考えているのかは想像がつく、オレもそうだ……だがそいつは置いておけ!今は感傷に浸る暇はない!部下だったナルトがお前より先に突っ込んでんだぞ!」
カカシは前方で戦うナルトに目をやる。
そしてまた、数回瞬きをした。
「鎖羅、ガイ……、すまなかった。」
「やめろ、謝るなんてお前らしくないぞ!」
「フッ……鎖羅、あまりチーム戦には慣れていないかもしれないが、オレのサポートを頼む」
「ッ…はい!」
「いくぞ……!」
カカシは残ったチャクラを丹念に練り、左目にこめた。そして万華鏡写輪眼を発動する。
(この神威…絶対にタイミングは外せない!)