第18章 十八朝
「……その眼をどこで手に入れた?!」
カカシは男に向かって叫ぶ。
「どこでか……。あえて言うなら、前回の対戦のときだ……神無毘橋の戦い……。」
「かん……なび……?」
鎖羅は頭の中の記憶が繋がったようにハッと声を漏らした。
カカシも同じく、なにかを察したようで言葉を続けようとするが、男に遮られる。
「言ったハズだ!…簡単に口を開くなと!口先だけの男に成り下がったお前の言う言葉には、なんの価値も意味も無い!」
ガイは呆然と立ち尽くしたカカシと男を見やる。
「後悔しても遅いのだよ。現実は…ただ残酷に突き進むだけだ。お前には分かっているハズだ、この世界で願う事など何一つ意味を成さない。だからこそ、無限月読という夢へ導くのだ。」
「………」
「…墓の前で英雄が哀れに言い訳をする必要のない世界を創ると言っているのだ。」
カカシは心臓が高鳴り、呼吸が上がっていくのを感じる。信じたくない事実が、この先にあるかもしれない。そう思うと目眩がしてくるほどだ。
「カカシ……先生」
鎖羅はカカシに手を差し伸べる。
その時、ナルトはカカシ達の前に躍り出た。
「てめー、まだそれぐちぐち言ってんのか?!こっちも言ったはずだ!火影の夢は譲れねェ!こちとら託されてるもんがいっぱいあんだ!」
チリチリと黄金のオーラがナルトの体を包んでいく。金髪は逆立ち、炎のように揺らめく外套がはためいた。
そして、誰かに答えるように雄叫び声を上げ走り出した。