第18章 十八朝
「おいカカシ…見えたか?」
「ああ……奴の面に傷が入った……」
地面に降り立ったナルトはカカシの言葉に目をこらす。ゆっくりと顔を上げた男の左頬には確かに亀裂が入っていた。
「ほ、ほんとだ、左側のとこ!」
「さっきのナルトの攻撃が少し当たっていたようだな!この調子で攻めるぞ!!」
「よォーし!これならなんとかすりゃいける気がするってばよ!!」
一縷の望みを手にし、更に闘志を燃やし始める二人をよそにカカシは先程のシーンを頭の中で何度も繰り返していた。
ナルトの攻撃なら、きっとあのような鋭利な斬りこみは入らないはずだ。なら瓦礫が掠めたか?いいや、鎖羅が退かしていたお陰で障害物は無かった。
「……カカシ先生?」
「…………考えてばかりいても仕方ないね。ガイ、ナルト、ビーさん、鎖羅」
カカシは僅かにずり落ちた額当てをずらし、数回瞬きをする。
「少し試したいことがある。協力してくれ」