第18章 十八朝
「ッと、あぶねぇ」
ナルトの分身が鎖羅を受け止め、背中の中心に掌底を打った。
「ッはぁ、っ!!」
「大丈夫か?」
鎖羅は頭を振り無理やり意識を覚醒させる。視界の先で踊るように攻撃を交わしている仮面の男が見えた。
腰から銃を抜き取りフラフラと立ち上がる。
「ありがとうございます、大丈夫です」
「おう!」
駆け出した分身は大きく鎖羅と差をつけると、仮面の男に飛び込んでいった。
しかし、顔に目掛けた右の拳は男の体をすり抜ける。
(?!み、見間違いじゃ……)
水平に振られた団扇の武器が分身を消した。
男は左足を、尾獣玉を携えたナルトに向かって投げ出す。同時に伸ばされた左手がナルトの頭を掴むかと思われたが、男の仮面を割るように振られたヌンチャクがすり抜けた。
ナルトは男が自分の体を通り抜けてった不思議な感覚に顔をしかめる。ガイの振り下ろしたヌンチャクは団扇に防がれてしまった。
後方に飛び退いて、男の左袖からクナイが飛び出す。鎖羅は既に熱を持った武器を握りしめ数発撃った。
「ぁ、すみません!」
「いいや!助かった!」
鎖羅が撃ち落とし損ねたクナイをガイはヌンチャクで弾き返す。そしてまた体に引きつけると、瓦礫の中の男に振り回す。